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Coulomb, C (クーロン)

クーロン(記号:C)は、電気量の国際単位(SI)であり、フランスの物理学者シャルル=オーギュスタン・ド・クーロンにちなんで名付けられました。電荷の量を定量化する単位であり、電流の流れや静電気的な相互作用を記述する上で基本的な役割を果たします。

元素電荷とSIにおける定義

クーロンは、電子の元素電荷(e)に基づいて定義されています。

  • 1クーロン = 6.242 × 10¹⁸ 個の電子の電荷

  • 元素電荷 e ≈ 1.602 × 10⁻¹⁹ C

この定義により、マクロスケールから量子スケールまで電気的な挙動を正確にモデル化できます。

クーロンの法則

クーロンの法則は、2つの点電荷間に働く静電力(F)を表します:

F = k × (Q₁ × Q₂) / r²

ここで:

  • F = 静電力(ニュートン, N)

  • k = クーロン定数 ≈ 8.99 × 10⁹ N·m²/C²

  • Q₁, Q₂ = 電荷量(クーロン, C)

  • r = 電荷間の距離(メートル, m)

この法則は、電界、コンデンサ、荷電粒子の相互作用などの解析に不可欠です。

電流との関係

電荷と電流の関係は、次の式で示されます:

I = Q / t

  • I = 電流(アンペア, A)

  • Q = 電気量(クーロン, C)

  • t = 時間(秒, s)

この式により、時間あたりに導体を流れる電荷の量を求めることができます。

例:電荷量の計算

電流が2アンペアで10秒間流れた場合:

Q = I × t = 2 A × 10 s = 20 C

このような計算は、回路設計、エネルギー管理、バッテリーシステムなどに用いられます。

応用分野

クーロンは、以下のような多様な分野で活用されています:

  • 電気工学:回路設計、電荷の蓄積、絶縁設計

  • 電子工学:半導体挙動、信号の整合性

  • 電気化学:電池反応、電気めっき、ファラデーの法則

  • 素粒子物理学:粒子の電荷測定

  • 医療技術:心電図(ECG)・脳波(EEG)、生体電気信号の監視

  • 通信技術:信号伝送、線路電荷効果

  • 材料科学:静電放電(ESD)対策、材料の電気的特性評価

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最終確認・更新日:2025年6月12日(IBL編集チーム) この記事にフィードバックを送る