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Bandwidth(帯域幅)

帯域幅(Bandwidth)とは、信号が占有する周波数の範囲、または通信チャネルが対応可能な周波数領域を指します。アナログ・デジタルの両通信方式において、情報伝送能力を定義する基本的パラメータです。

定義と種類

信号処理や通信工学では、帯域幅は以下のように分類されます:

絶対帯域幅(Absolute Bandwidth)

信号が実際に占有する全周波数範囲

BW = f_high – f_low

ここで:

  • f_high = 信号の最高周波数成分

  • f_low = 最低周波数成分

有効帯域幅(Effective Bandwidth)

信号の主なエネルギーが集中する周波数範囲
通常はシステムの周波数応答における–3 dB(半減点)を基準に定義されます。

チャネル帯域幅(Channel Bandwidth)

無線認証においては、チャネル帯域幅という規定されたスペクトル幅が重要になります。これは占有帯域幅(Occupied Bandwidth)や不要輻射の限度に直接関係します。

デジタル通信における役割

帯域幅はデータ伝送速度の上限に直接影響します。
シャノンの定理により、理論的な最大通信速度Cは以下で表されます:

C = B × log₂(1 + SNR)

ここで:

  • C = チャネル容量(bps)

  • B = 帯域幅(Hz)

  • SNR = 信号対雑音比(単位なし)

→ 帯域幅とSNRが大きいほど、高速通信が可能となります。

実例:帯域幅の活用

様々な技術分野における帯域幅の例:

  • FMラジオ:1チャネルあたりおよそ 200 kHz

  • Wi-Fi(2.4 GHz帯):標準チャネルは 20 MHz

  • 光ファイバ通信テラヘルツ帯域を活用し、超高速伝送が可能

用途に応じた帯域幅の選定が、性能要件や通信品質を左右します。

システム設計における重要性

帯域幅は有限なリソースであり、以下の点に影響します:

  • データ速度:広帯域により情報量が増加

  • 信号の解像度・忠実性:より高精細な再現が可能

  • 設計トレードオフ:広帯域は消費電力・回路規模の増大を招く可能性あり

設計者は、帯域効率、法規制、消費電力、干渉対策などを考慮し、最適な帯域構成を選定します。

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最終確認・更新日:2025年5月27日(IBL編集チーム) このコンテンツはあなたにとってどの程度役に立ちましたか?