Bluetooth Classic (BR/EDR)
Bluetooth Classic（または BR/EDR：Basic Rate / Enhanced Data Rate）は、Bluetooth規格における元来の無線技術です。中程度のデータレートでの常時ポイントツーポイント接続に適しており、多くの標準プロファイルをサポートします。
周波数と変調方式
Bluetooth Classic は、世界的にライセンス不要な 2.4 GHz ISM バンドで動作し、1 MHz 間隔の 79 チャネルを使用します。最大 1600 回/秒の周波数ホッピング（FHSS）を採用しています。
BR（Basic Rate）： GFSK（Gaussian Frequency Shift Keying）、1 Msymbol/s
EDR（Enhanced Data Rate）：
π/4-DQPSK（2 Msymbol/s、実効値 約 2 Mbit/s）
8DPSK（3 Msymbol/s、実効値 約 3 Mbit/s）
EDR は変調効率の向上によりスループットを改善しますが、周波数および位相の高精度な制御が求められます。
Summary Table
| 特性 | Bluetooth Classic（BR/EDR） |
|---|---|
| 周波数帯域 | 2.402 – 2.480 GHz（ISM バンド） |
| チャネル数 | 79（1 MHz 間隔） |
| 変調方式 | GFSK（BR）、π/4-DQPSK、8DPSK（EDR） |
| 最大データレート | 3 Mbit/s（EDR） |
| ホッピング速度 | 1600 回/秒 |
| 主な用途 | オーディオ、データ、周辺機器、車載 |
| 消費電力 | BLE より高い |
| トポロジー | ポイントツーポイント（ピコネット） |
| GATT 対応 | 非対応 |
| 特性 | Bluetooth Classic（BR/EDR） |
|---|---|
| 周波数帯域 | 2.402 – 2.480 GHz（ISM バンド） |
| チャネル数 | 79（1 MHz 間隔） |
| 変調方式 | GFSK（BR）、π/4-DQPSK、8DPSK（EDR） |
| 最大データレート | 3 Mbit/s（EDR） |
| ホッピング速度 | 1600 回/秒 |
| 主な用途 | オーディオ、データ、周辺機器、車載 |
| 消費電力 | BLE より高い |
| トポロジー | ポイントツーポイント（ピコネット） |
| GATT 対応 | 非対応 |
主な用途
Bluetooth Classic は、常時接続や高スループットが求められるアプリケーションに使用されます：
オーディオ伝送： A2DP（高音質オーディオ）、HFP（ハンズフリープロファイル）
データ通信： SPP（シリアルポートプロファイル）、OBEX（ファイル転送）
周辺機器： HID（キーボード、マウス）、PAN（パーソナルエリアネットワーク）
車載用途： インフォテインメントシステム、ハンズフリーデバイス
基本バージョンとの違い
Bluetooth Classic は基本仕様であり、BLE、Mesh、LE Audio などの後発仕様との差異がここで重要になります。BLE との比較：
消費電力が高い
ブロードキャスト／マルチキャスト用途の柔軟性が低い
GATT ベースのプロファイルをネイティブにサポートしない
試験および認証における重要性
Bluetooth Classic 搭載製品は、以下を含む無線機器としての規制試験に合格する必要があります：
周波数使用およびチャネル帯域幅（例：EN 300 328、FCC §15.247）
出力および通信距離（例：クラス 1〜3）
BR/EDR 特有の変調方式とスペクトル特性
さらに、Bluetooth ブランドとプロファイルを正式に使用するためには、Bluetooth SIG による認証（Qualification）が必要です。