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ETSI EN 303 687

ETSI EN 303 687 は、6 GHz 帯域で動作する無線 LAN(WLAN)機器に対する技術要件を定めた、ETSI により策定された調和規格です。本規格は、Wi-Fi 6E(IEEE 802.11ax)および Wi-Fi 7(IEEE 802.11be)に対応しており、効率的な周波数利用と既存サービスの保護を目的としています。

適用範囲

本規格は、ヨーロッパにおける 5.945~6.425 GHz の周波数帯域で運用される、無線ローカルエリアネットワーク(RLAN)アクセス技術を用いた WLAN 機器に適用されます。対象となる機器区分は以下の通りです:

  • Standard Power(SP)機器:自動周波数調整(Automated Frequency Coordination, AFC)を使用

  • Low Power Indoor(LPI)機器:屋内用の低出力機器

  • Very Low Power(VLP)機器:携帯型・近距離用途向けの極低出力機器

本規格は、U-NII-5 から U-NII-8 に対応したチャネル構成をサポートしており、最大 320 MHz のチャネル帯域幅を利用可能です。これにより、高スループット・低遅延の通信が可能になります。

対象機器の例:

  • Wi-Fi 6E/Wi-Fi 7 対応のアクセスポイントおよびクライアント端末

  • ルーターやメッシュノード

  • コンシューマー/産業用電子機器に統合された無線モジュール

技術要件

  • 周波数範囲:5.945~6.425 GHz(ヨーロッパ)

  • チャネル帯域幅:20、40、80、160、320 MHz(Puncturing およびマルチリンク動作対応)

送信機要件:

  • SP、LPI、VLP 機器に対する出力およびスペクトル放射制限

受信機要件:

  • ブロッキング耐性、スプリアス応答、堅牢性

メディアアクセス制御:

  • LBT(Listen Before Talk)および CCA(Clear Channel Assessment)

  • 6 GHz 帯において DFS(Dynamic Frequency Selection)は不要

適合性と認証

ETSI EN 303 687 は、無線機器指令(Radio Equipment Directive, RED)2014/53/EU に基づく CE マーキングを支援する目的で策定されています。

2025年4月時点:
本規格はまだ欧州連合官報(OJEU)に掲載されていないため、適合を主張する機器には引き続き、指定機関(Notified Body)による適合評価手続きが必要です。

製造業者に求められる対応:

  • 認定試験所での性能試験の実施

  • EU 適合宣言書(DoC)の作成

  • 既存ユーザー(例:固定通信回線)との共存の確保

現行バージョン:ETSI EN 303 687 V1.1.1(2023年6月発行)

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当社では、EN 303 687 に基づく試験および Wi-Fi 6E/7 機器の CE マーキング取得に対応しています。周波数適合性、共存評価、RED 準拠の手続きをトータルに支援します。
CE マーキングおよび EU 市場アクセス

関連資料・公式リソース

公式 ETSI 規格(PDF)

本内容は主要情報を精選したものです。詳細かつ最新の規制文書については、各主管庁の公式ポータルをご参照ください(2025年4月時点で確認済み)。

最終確認・更新日:2025年6月12日(IBL編集チーム) この記事にフィードバックを送る