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Occupied Bandwidth(占有帯域幅)

Occupied Bandwidth(OBW)とは、信号全体の平均電力のうち、所定の割合(通常は99%)が含まれる周波数帯域を指します。これは、無線機器の規制適合性評価において重要な測定値であり、周波数の有効利用と干渉の最小化を確保する目的で使用されます。

適用範囲

占有帯域幅は、さまざまな無線通信技術において信号のスペクトル的特徴を定量化するために用いられます。ライセンスバンド/非ライセンスバンドの両方で規制要件の一部として求められ、ETSI、FCC、ISEDなど各国・地域の規制当局によって定められています。

代表的な使用例:

  • Wi-Fi(2.4 GHz、5 GHz、6 GHz)

  • Bluetoothやその他の短距離通信機器

  • LTE衛星通信固定無線アクセスなどの免許制システム

定義と測定条件

  • 測定定義:OBWは、信号の全平均電力の99%が含まれる周波数帯域であり、通常は占有搬送波周波数を中心として定義されます。多くの規格で「99%」が用いられますが、技術や用途に応じて70%などの別の基準が定められている場合もあります。

  • 測定方法:測定は、スペクトラムアナライザを使用して実施されます。一般的な設定には、ガウシアンまたはRMS検波器、および30 kHz以下の分解能帯域幅(RBW)などが含まれ、規格により異なります。信号のパワースペクトル密度を積分することで、占有帯域が求められます。

  • 帯域幅との関係:OBWは、メーカーが申告したチャンネル帯域幅または規格で定められた最大帯域幅を超えてはなりません

例:
Wi-Fi機器が20 MHzのチャンネルを使用している場合、OBWも通常20 MHz以下でなければならず、地域や規格によって制限が異なる場合があります。

認証および適合性

規制基準では、占有帯域幅の測定が明確に義務付けられています:

  • FCCPart 15(例:§15.247、§15.407)の対象機器についてOBWの報告が必要

  • ETSIEN 300 328およびEN 301 893において放射測定時のOBW測定が要求される

  • ISEDRSS-247で2.4 GHzおよび5 GHz帯のデバイスに対するOBW基準が規定されている

適合違反(例:OBWの超過)は、試験不合格または測定結果の非承認につながり、認証の取得や市場アクセスに影響を及ぼす可能性があります。

最終確認・更新日:2025年6月12日(IBL編集チーム) この記事にフィードバックを送る