esc 閉じる

LPI (Low Power Indoor)

LPI(Low Power Indoor)とは、6 GHz 帯で動作し、屋内での使用に限定された Wi-Fi 機器の分類を指します。送信出力が低く、使用場所が屋内に限定されているため、これらの機器は Automated Frequency Coordination(AFC)の対象外となり、既存サービスとの干渉リスクを最小限に抑えます。

適用範囲

  • 主な使用場所:家庭、オフィス、商業施設内

  • 屋外使用:禁止

  • AFC 要件:不要

  • 認可されている地域:米国、欧州連合、カナダ、日本、ブラジル(各国の 6 GHz 帯域ポリシーに基づく)

地域別の周波数割当

  • 米国:5925–7125 MHz(U-NII-5 ~ U-NII-8)

  • 欧州連合:5945–6425 MHz

  • その他の地域:割当および使用可能なサブバンドは異なる場合があります。

主な技術要件

  • 屋内専用の運用:機器は物理的・機能的に屋内使用に限定されていなければなりません。

  • 最大 EIRP等価等方放射電力):

    • 米国:

      • 20 MHz 帯域幅で 18 dBm

      • 40 MHz 帯域幅で 21 dBm

      • 80 MHz 帯域幅で 24 dBm

      • 160 MHz 帯域幅で 27 dBm

      • 注:これらの値は 5 dBm/MHz の PSD(Power Spectral Density)ルールに準拠しています。

    • 欧州連合:

      • 最大 23 dBm の総合 EIRP

  • アンテナ要件:一体型で固定されたアンテナのみ使用可能。外付けまたは耐候型アンテナの使用は禁止されています。

  • 認証:地域ごとの制度(例:FCC、RED、ISED)に従い認証が必要です。

認証および適合性

  • 機器分類:LPI 機器として明確に認証され、申告されている必要があります。

  • 不適切な使用の影響:屋外での使用や非認可アンテナの使用は認証の無効につながります。

  • 表示義務:一部地域(例:EU)では、「屋内専用」などの表示が義務付けられています。

製品ライフサイクルにおける重要性

  • 市場アクセス:2024年以降、LPI は EU において唯一認可された 6 GHz 帯の機器カテゴリです。

  • 規制上の利点:米国やカナダなど、AFC を不要とする 6 GHz 帯運用を可能にします。

  • 設計上の考慮事項:屋内利用とアンテナ制限は、ハードウェアおよびファームウェアの開発段階で考慮する必要があります。

最終確認・更新日:2025年6月26日(IBL編集チーム) この記事にフィードバックを送る