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Radiated Measurements (放射測定)

放射測定とは、デバイスが自由空間に放射する電磁エネルギーを評価するための試験手法です。電磁両立性(EMC)、無線性能、規制適合性を評価する上で不可欠です。

適用分野

放射試験は以下のようなデバイスに対して実施されます。

  • 内蔵アンテナを搭載するデバイス

  • アクセス可能な高周波(RF)コネクタがないデバイス

  • EMI(電磁妨害)に対して敏感な設計(例:高速デジタル回路)

主な用途:

  • EMC適合試験

  • アンテナ性能検証

  • CE、FCC、ISED、MIC適合性評価

主な測定パラメータ

  • 放射エミッション(通常9kHz〜6GHz以上)、dBµV/mまたはdBmで測定

  • 高調波およびスプリアス放射

  • 等方性放射電力(EIRP)

  • 総放射電力(TRP)および総等方感度(TIS)

  • アンテナの放射パターン

測定セットアップと使用機器

典型的なセットアップには以下が含まれます。

  • アンテナ:周波数に応じて、対数周期アンテナ、ホーンアンテナ、双円錐アンテナ

  • 試験環境:半無響室(SAC)、完全無響室(FAR)、屋外開放試験サイト(OATS)

  • 測定機器:EMIレシーバーまたはスペクトラムアナライザー

  • ターンテーブルおよびアンテナマストによる角度スキャン

  • 低雑音増幅器やバンドパスフィルターなどの信号調整機器

測定は通常、3メートルまたは10メートルの距離で行われます。試験対象機器(DUT)は通常運用モードまたは特定の動作モードで動作させ、空間伝送による放射および性能を評価します。

規格および規制との関連性

放射測定は多くの規格で要求されています。

  • CISPR 11 / 22 / 32 – 産業機器、IT機器、マルチメディア機器の放射EMI

  • FCC Part 15.109 / 15.209 – 意図しないおよび意図した発信機に関する要件

  • ETSI EN 301 489、EN 300 328、EN 303 413 – 無線製品のRFおよびEMC試験

  • 3GPP TS 38.521 – 5Gユーザー機器のTRP/TIS試験

最終確認・更新日:2025年6月12日(IBL編集チーム) この記事にフィードバックを送る