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SAR(比吸収率)

SAR(比吸収率)は、無線機器から発生する電磁界に曝露された際に人体組織が吸収する高周波(RF)エネルギーの速度を測定するものです。単位はワット毎キログラム(W/kg)で表され、電磁界曝露の安全性を評価するための重要な指標となります。

無線機器のSAR適合性確認のため、認定された試験手順および適用される曝露制限に関する情報は、当社のSAR試験サービスページでご覧いただけます。

規制限界および適合性

SAR値は、規制機関によって定められた人体曝露限界への適合性を示すために不可欠です。

  • 欧州連合(EU):2.0 W/kg(10gの組織平均)

  • 米国(FCC):1.6 W/kg(1gの組織平均)

これらの限界値は、無線機器が日常使用において安全であることを保証するために設定されています。

SARの計算方法

SARは次の式により計算されます。

SAR = σE² / ρ


ここで:

  • σ:組織の導電率(S/m)

  • E:電界強度(V/m)

  • ρ:組織密度(kg/m³)

実用例

最新のスマートフォンの多くは、標準化された試験条件下で頭部または体部において0.5~1.5 W/kgのSAR値を示します。市場投入前に、メーカーはこれらの値を検証し、報告する義務があります。

製品認証における適用

SAR試験は以下の機器の認証において義務付けられています:

  • 携帯電話

  • タブレット

  • ウェアラブル機器およびIoTデバイス

  • 無線通信機器

これにより、各国および国際規格に基づく曝露安全基準を満たしていることが保証されます。

SAR試験(ラボテスト)

組織模擬液、校正済みダイポールアンテナ、制御されたラボ環境下での無線機器に対するRF曝露測定を用いたSAR試験について、簡単にご紹介します。

最終確認・更新日:2025年5月27日(IBL編集チーム) このコンテンツはあなたにとってどの程度役に立ちましたか?