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Thermal Load (熱負荷)

熱負荷(Thermal Load)は、内部および外部の要因によってシステムに導入される総熱エネルギー量を表します。これには以下が含まれます。

  • 内部要因:電気部品、化学反応、機械的摩擦など

  • 外部要因:周囲温度、太陽放射、周辺環境からの熱伝達など

熱負荷は通常、ワット(W)または英国熱量単位毎時(BTU/h)で測定されます(1 BTU/h ≈ 0.293 W)。

熱負荷の計算

対流システムにおける熱負荷の推定方法の一つは、顕熱伝達の式を使用します。

Q = m × c × ΔT


ここで:

  • Q = 熱負荷(W)

  • m = 質量流量(kg/s)

  • c = 比熱容量(J/kg·K)

  • ΔT = 温度差(Kまたは°C)

この式は、流体(例:空気や液体)による顕熱伝達に適用され、全体の熱負荷の一部を表します。

熱負荷の総合的な評価ではさらに以下を考慮します。

  • 伝導(例:壁や筐体を通した熱伝達)

  • 放射(例:窓や表面を通じた太陽熱取得)

  • 潜熱(例:空調システムにおける湿度制御)

  • 内部発熱(例:CPUや機械の消費電力)

実用例

  • ゲーミングノートパソコン:負荷時に約100~150 Wの熱を発生し、ヒートパイプ、ベーパーチャンバー、ファンで冷却

  • 住宅用空調:冷却1トンあたり約3,500 W(約12,000 BTU/h)の熱負荷を管理

  • データセンター:高密度ラックでは10,000 W/m²を超えることがあり、精密な気流管理とゾーニングが必要

  • 工業用鋳造工場:継続的な高温プロセスにより数メガワット級の熱負荷を処理

重要性

熱負荷の評価は、次の分野で重要な役割を果たします。

  • 電子機器の冷却 – 過熱を防止し、システム寿命を延長

  • 空調設計(HVAC) – システム設計およびエネルギー効率(例:SEER値)の決定

  • プロセスエンジニアリング – 半導体製造や医薬品製造のような制御環境での熱的安定性の確保

熱負荷を正確に把握することで、信頼性の高い熱管理、エネルギー効率の向上、システムの長期安定性が実現できます。

最終確認・更新日:2025年6月12日(IBL編集チーム) この記事にフィードバックを送る